忍者ブログ
*こちらで描かせて頂いたチュウ絵は、親御さんのみ保存転載OKです。
1 2 3 4 5 6 7 8
[  11/01  [PR]  ]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「………」

行きとは違い、重苦しい空気が漂う艦内。

俺達に、撤退が命じられた。
オースィラ軍の敗北という形でこの戦いは幕を閉じた。


…俺は正直、勝ち負けだなんてどうでも良かった。
みんなが生きて帰って来た事に安堵し、その一方でこの戦争で失われた命を思うと哀しくてたまらない。
ただそれだけであった。

…軍を志したあの頃は、ただひたすらに敵を倒せば戦争は終わり、もう悲しむ人はいなくなるのだと、純粋に信じていた。
けれど、大人になってくるともっと色んなものが見えてきて。
今殺した敵兵にも、家族はいて。その家族が悲しんで。
いや、そもそも"敵"とは何なのだろう?何故俺達は"敵同士"なのだろう?
何故戦わなければいけないのだろう?
そして俺は元々はメアレイヒの人間で、殺してきた敵兵達もメアレイヒ人で…

「…っあぁもう!!」

だめだ、考えれば考えるほど頭の中がこんがらがってくる。

「…一体、何なんだろうな…」

そこで俺は、考える事をやめた。
目を閉じると、意識は闇へと墜ちていった。



PR
琥狼さんの護衛の帰り道。俺はトーキーとバロンと一緒に森を進む。
少尉である俺が離れるため、曹長のイデアと伍長のテンコを指揮役として前線に残してある。
今のところ、特に変わった様子はない様である。

「俺達の護衛任務も何事も無く済んでよかったな」

「えぇ。ですが、皆さんと合流するまでは油断は出来ませんよ。何せこちらは少数で来ているのですから、数で押されたらひとたまりもありません」

「数で攻められたら、こちらは策でやり返すだけだがな」

=====

少し離れた所に揺らめく水面が見て取れる。湖も近い。

「ここまで来れば、とりあえず一安心かな…!」

瞬間、カサリと足音が聞こえた。
俺達は瞬間的に武器を構え、音の方向へと向き直る。
味方のオースィラ兵であればよいが、敵であったら…

暫くして、人影がはっきりと見えてきた。




「・・・・・・・・・え?」

俺の目に映ったのは、白のメッシュの入った橙色の豊かな髪を二つに結わいた、蒼い瞳の女の子。
愛らしい出で立ちだが、しかしその表情には愛想が見えない。

そして俺は、この子に見覚えがある。それも、比較的最近。

「君は…あの時の!?」

「え、少尉、知り合い?」

「ハテ…どこかでお会いしましたっけ?…あぁ、あの時列車でお会いした、赤い変態さんでしたっケ」

グサッ
何でトイレを間違えたくらいでそこまで言われなくちゃいけないの…
あ、バロンとトーキーが痛々しい目で俺を見てる。ちょ、その視線やめて。

「それにしても…見たところ、アナタはオースィラの軍人のようですネ。…オースィラではアナタのような人でも、軍人になれるんですねェ…」

「う、うっさい!そりゃ確かに士官学校の卒業試験はギリギリだったし、昇級したかと思えばすぐ降格されたことも少なくなかったけど!!!!」

思わずムキになってしまった。
突然の再会に驚いたせいかすっかり忘れてしまったが、改めて彼女の姿を見ると。

この制服、見覚えがある。確か…

「…そういう君は、メアレイヒの…デーゲンレヒト軍学校の学生なのか?」

「だったラ、どうするというんですカ?」
俺達の小隊に、護衛の要請が入った。
軍楽隊の人からで、陸軍基地まで同行する事になっている。
非戦闘員の護衛も、俺達の大事な任務だ。

俺に護衛を依頼したのは、琥狼さんという人だ。


少しだけ話した感じでは明るく、しっかりした人のようで、好印象だ。
中性的な容貌と話し方で最初はハッキリと分からなかったが、どうやら女性のようだ。

突撃中隊の異名をとる陸兵第三中隊の一角を担う俺ではあるが、こうして誰かを護衛しながら進むとなれば慎重にならざるをえない。
誰かの命をじかに背負っていると言えるのだから。
トーキーに冗談めかして「あなたでも慎重に考える頭があるものなのですね」と言われたときは流石に苦笑いであったが。

もしかしたら俺は、攻め込む為に力を振るう軍人より、守る為に力を振るうボディガードなどの方が性に合っているのかもしれないな。

敵が少ない道を選んで進むその勘が的中したのか、道中、大した危険も無く無事に陸軍基地へと到着した。
そこで琥狼さん達とはひとまずお別れ。琥狼さんがお礼に食事をご馳走してくれるらしい。俺は当然の事だと最初は遠慮していたのだが、彼女の好意は素直に嬉しかったため、喜んでその誘いを受けた。
そのためにも、五体満足で帰国しないとな。

役目を終えたため、再び本来の作戦に戻ろうと陸軍基地を後にしようとしたその時。


「まも姉さんは儂が守んねん!!」


その一言に、ざわついていた基地内が水を打ったかのように静まり返った。
思わず声の方向に振り向くと。


野沢は暫く固まって、そして抱き寄せたまもりちゃん、周囲の人たちを順に見回して、それから顔をオクタンの如く真っ赤にして声にならない声で叫んでいた。

今しがた来たばかりの俺には状況はよく分からなかったが、一つだけハッキリと分かった事がある。

野沢、青春してるなぁ。

テンコと顔を合わせ、微笑ましそうに彼らを見る。
思わず今の殺伐とした状況を忘れてしまう、心和む出来事であった。

=====
とりあえず戦争イベント便乗記事を二つほど書いておきました…が、グダグダなのはいつもの私クオリティです。苦笑。
色々ありましてね…トラウマがあってどうしても自分から積極的に動くのが怖いというかモガモガ…
こっそり一つ絡ませて頂くネタが出来たのでホクホクです´∀`*

埼玉オフと聞いて、地元が埼玉の私が通りますよ←
余裕があれば是非とも参加したいのですが、大丈夫だろうか…答えは聞いてないけどね!( 聞 け

ついでにどうでもいいぼやきですが。
アカガネは戦争や殺し合いは嫌いですが、バトルは割と好きなほうです、よ。
なんてったって素での攻撃力は虫ポケNo1だしね!(根性ヘラクロスとパワトリツボツボ除く/更に言うと技の火力は不足気味、そのためのテクニシャンなんですが)
何か違うの?と言われても上手い事説明できない貧相な語彙なんですが…

追記に私信。
ここに到着したのは昨日の事。場所はオースィラ領の無人島だ。
先に発っていた先発隊と合流し、昨日のうちに作戦を練る。

俺達陸兵第三中隊の役割は、軍備保管施設の破壊。それプラス、陸軍全体に命じられた非戦闘員の護衛。
破壊任務だなんて、特攻中隊の名を欲しい侭にする俺達にうってつけだなと、思わず苦笑する。

リクもディアも、ライス中尉の表情にも緊張が走る。
逆にルクスは、普段よりいくらか饒舌なようにも思える。

「とりあえず、だ。何は無くとも、みんなで生き残ろうな」

いつもの調子でそう言ったら、軽くみんなに睨まれた。
…うん、空気読めてないのは認めるよ。けれど俺なりのエールのつもりだったんだけどな…

まぁ偽らざる俺の本音でもあるわけなんだけど。


=====
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
HN:
アカガネ@アヤ
性別:
非公開
最新コメント
[06/26 スタービーチ]
[05/22 アヤ]
[05/21 奈]
[04/26 采壱]
[04/26 310]
ブログ内検索

忍者ブログ [PR]
"アカガネ@アヤ" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY SHINOBI.JP @ SAMURAI FACTORY INC.